EC-IC bypass術後の血行評価 Microvascular Dopplerを用いたdonor STAの経皮的血流評価法

頭蓋外内血行再建術(EC-IC bypass)後の血行状態の評価法は脳血管撮影によるものが標準的である. 近年, 患者への侵襲性への配慮からMRAによる評価法が開発され, その有効性が示されている2)9)12)16). しかし, MRAによる評価法はそれぞれの施設においてpresaturation 法8)12)などさまざまな工夫がされているが, メーカーや機種の違いによる差異などがあるため, それぞれの方法の普遍性には限界がある. また, アーチファクトの軽減のための小児例などでの沈静化の必要性や検査の煩雑さと費用を考慮すると, まったくの非侵襲性とはいえず, 頻回の繰り返し施行は無理がある....

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Published in脳卒中の外科 Vol. 31; no. 5; pp. 355 - 360
Main Authors 田中, 隆一, 長谷川, 仁, 伊藤, 靖, 小澤, 常徳, 森田, 健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2003
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.31.355

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Summary:頭蓋外内血行再建術(EC-IC bypass)後の血行状態の評価法は脳血管撮影によるものが標準的である. 近年, 患者への侵襲性への配慮からMRAによる評価法が開発され, その有効性が示されている2)9)12)16). しかし, MRAによる評価法はそれぞれの施設においてpresaturation 法8)12)などさまざまな工夫がされているが, メーカーや機種の違いによる差異などがあるため, それぞれの方法の普遍性には限界がある. また, アーチファクトの軽減のための小児例などでの沈静化の必要性や検査の煩雑さと費用を考慮すると, まったくの非侵襲性とはいえず, 頻回の繰り返し施行は無理がある. われわれは, Dopplerマイクロプローベを経皮的に浅側頭動脈(STA)に直接当て, その血流状態を示すパラメーターを計測することにより, bypass術後の血行状態を定量的に把握する方法を新たに考案した. 小児にでも使える非侵襲性と, ベッドサイドでも繰り返し行われる簡便さに加え, その検査法としての有用性を検討したので報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.31.355