未破裂脳動脈瘤クリッピング術における術中モニタリング インドシアニングリーンビデオ脳血管造影と電気生理学モニタリングの併用について

『背景』 未破裂脳動脈瘤手術の合併症の発生率は1.9-12%と報告され6)10), 巨大でない前方循環の脳動脈瘤に限局すると死亡率0.8%, 合併症発生率は1.9%と危険性は低いとされる6). しかし, 一方, 術後1カ月における死亡率および重篤な合併症の発生率は開頭術では1.5%および12%, 血管内治療では1.8%および7.3%と必ずしも開頭術が優れているとはいえない10). 著者らは未破裂脳動脈瘤手術において, 根治性を重視し開頭術を第一選択とする治療方針をとってきたが, 合併症軽減のため2007年以後は術中インドシアニングリーンビデオ脳血管造影(ICG angiography:ICGA...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 39; no. 4; pp. 278 - 283
Main Authors 新井, 良和, 北井, 隆平, 湶, 孝介, 東野, 芳史, 山内, 貴寛, 常俊, 顕三, 細田, 哲也, 有島, 英孝, 小寺, 俊昭, 竹内, 浩明, 菊田, 健一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2011
日本脳卒中の外科学会
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:『背景』 未破裂脳動脈瘤手術の合併症の発生率は1.9-12%と報告され6)10), 巨大でない前方循環の脳動脈瘤に限局すると死亡率0.8%, 合併症発生率は1.9%と危険性は低いとされる6). しかし, 一方, 術後1カ月における死亡率および重篤な合併症の発生率は開頭術では1.5%および12%, 血管内治療では1.8%および7.3%と必ずしも開頭術が優れているとはいえない10). 著者らは未破裂脳動脈瘤手術において, 根治性を重視し開頭術を第一選択とする治療方針をとってきたが, 合併症軽減のため2007年以後は術中インドシアニングリーンビデオ脳血管造影(ICG angiography:ICGA)をルーチンに使用し8), 2008年以後はさらに運動誘発電位(motor-evoked potential:MEP)をはじめとする電気生理学モニタリング(electrophysiological monitoring:EPM)を併用する術式としている. 本稿ではこれらモニタリングの効果について検討した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.39.278