安全で快適な外来化学療法を実施するための取り組み

近年,有害反応の少ない抗がん剤の開発,有害反応に対 する支持療法の進歩,DPC による在院日数の短縮化があ いまって,急速に外来化学療法が広まった。当院では2006 年8月より外来化学療法センターを開設し,外来化学療法 を行っている。 患者が安全かつ確実にそして快適に外来化学療法を受け る事ができるよう,限られた医療スタッフの中で多職種の スタッフ同士が連携して外来化学療法に取り組んでいる。 その実際について述べたい。 1.外来各科との連携 各主治医と各科外来看護師との連携を密にするため,毎 朝外来化学療法センターの看護師が外来に赴き,ミーティ ングを行っている。 2.病棟との連携 入院中に外...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 58; p. 16
Main Authors 神保, 京美, 山内, 格, 飯尾, 宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2009
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.58.0.16.0

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Summary:近年,有害反応の少ない抗がん剤の開発,有害反応に対 する支持療法の進歩,DPC による在院日数の短縮化があ いまって,急速に外来化学療法が広まった。当院では2006 年8月より外来化学療法センターを開設し,外来化学療法 を行っている。 患者が安全かつ確実にそして快適に外来化学療法を受け る事ができるよう,限られた医療スタッフの中で多職種の スタッフ同士が連携して外来化学療法に取り組んでいる。 その実際について述べたい。 1.外来各科との連携 各主治医と各科外来看護師との連携を密にするため,毎 朝外来化学療法センターの看護師が外来に赴き,ミーティ ングを行っている。 2.病棟との連携 入院中に外来での化学療法が決定した場合は,外来化学 療法センターの看護師が患者訪問しオリエンテーションを 行っている。その際担当看護師から得られた情報を活かし て患者と関わることが出来ている。 3.薬剤師との連携 当院では抗がん剤ミキシングを外来化学療法センターで 行っており,薬剤師とのコミュニケーションが容易に取れ る環境にある。 4.多職種との連携 センター開設当初より多職種のスタッフを交えてのカン ファレンスを定期的に実施してきた。現在はがん化学療法 委員会に形を変えて意見交換を行っている。委員会では新 規レジメンの登録承認の他,院内の化学療法実施に際する 諸問題の解決に取り組んでいる。 開設当初に比べ,患者数は増加し新規抗がん剤の登場で レジメンも多様化してきている。それに伴い予約管理や点 滴管理は複雑化し,新たな有害反応も出現するようになり 外来化学療法センターの業務は困難を極めている。こうし た中で,患者が安全で快適に化学療法を受ける事ができる ような環境を整えるためには,多職種間の連携が非常に重 要であると考える。
Bibliography:WS1-1
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.58.0.16.0