Ca拮抗薬内服下にもかかわらず心室細動に至った冠攣縮性狭心症の一例

Ca拮抗薬服用下にもかかわらず心室細動に至った冠攣縮性狭心症の一例 相模原協同病院 循環器センター内科 伊藤亜矢子 河村洋太 松崎淳 干場泰成 井関治和 【背景】Ca拮抗薬は冠血管拡張作用により冠攣縮性狭心症に有用とされている。しかし今回Ca拮抗薬内服下にもかかわらず、ストレスを契機とした冠攣縮により心室細動に至った症例を経験したので報告する。 【症例】67歳女性。骨転移を伴う乳癌に対し当院にて放射線治療目的のため通院中、元来高血圧にてアムロジピン(Ca拮抗薬)を内服中であった。今回主治医より経過観察目的の検査結果の説明を受けるため診察を待っている最中に強い胸痛が出現した。救急外来へ移動し心電...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 58; p. 50
Main Authors 伊藤, 亜矢子, 松崎, 淳, 井関, 治和, 安達, 崇之, 干場, 泰成, 河村, 洋太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2009
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.58.0.50.0

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Summary:Ca拮抗薬服用下にもかかわらず心室細動に至った冠攣縮性狭心症の一例 相模原協同病院 循環器センター内科 伊藤亜矢子 河村洋太 松崎淳 干場泰成 井関治和 【背景】Ca拮抗薬は冠血管拡張作用により冠攣縮性狭心症に有用とされている。しかし今回Ca拮抗薬内服下にもかかわらず、ストレスを契機とした冠攣縮により心室細動に至った症例を経験したので報告する。 【症例】67歳女性。骨転移を伴う乳癌に対し当院にて放射線治療目的のため通院中、元来高血圧にてアムロジピン(Ca拮抗薬)を内服中であった。今回主治医より経過観察目的の検査結果の説明を受けるため診察を待っている最中に強い胸痛が出現した。救急外来へ移動し心電図を記録したところ_II_、_III_、aVF誘導にてST上昇を認めた。点滴ルート確保、酸素投与していたところ、突然意識消失、モニター上心室細動を認め直ちに電気的除細動を施行し、洞調律に復した。緊急冠動脈造影検査を施行したところ右冠動脈に完全閉塞病変を認め、硝酸イソソルビトの冠動脈内投与を繰り返したところ閉塞病変は解除され、以上より冠攣縮性狭心症の診断に至った。Ca拮抗薬を二剤に増量し、ニコランジルの内服を追加し第病日に退院となった。しかし、退院後胸痛発作にて再入院となり、Ca拮抗薬のさらなる増量を行い一旦は退院となるも、約3ヵ月後に心肺停止状態で搬送され、死亡確認に至った。 【考察】過度のストレスによりCa拮抗薬内服下にも関わらず、冠攣縮を惹起したと考えられた。 【結語】Ca拮抗薬投与下でも心室細動を引き起こした冠攣縮性狭心症を経験した。
Bibliography:R-06
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.58.0.50.0