放射線治療装置搭載OBIのオートマッチング精度評価 第2報

【はじめに】  当院では放射線治療を行う際,必ずOBI(On Board Imaging)にて正・側面2方向撮影し,DRR画像(治療計画装置の2D画像)とオートマッチングした後,最終確認で目視にて位置照合を行っている。第1報では,DRR画像表示条件を変化させた時の誤差と,DRR画像のスライス厚を変化させたときのオートマッチング限界座標と検証した。今回第2報として,不均質領域でのオートマッチングの精度を検証したので報告する。 【使用機器】 放射線治療装置:Clinac iX(VARIAN社製) 治療計画装置:Eclips 【方法】  希釈した造影剤を椎体,スポンジを肺にみたて周囲を寒天で満たした...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 60; p. 97
Main Authors 山田, 佳未, 田中, 孜, 中西, 茂樹, 伊佐次, 範也, 衣斐, 賢司, 渡邉, 映元, 梶浦, 雄一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2011
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.60.0.97.0

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Summary:【はじめに】  当院では放射線治療を行う際,必ずOBI(On Board Imaging)にて正・側面2方向撮影し,DRR画像(治療計画装置の2D画像)とオートマッチングした後,最終確認で目視にて位置照合を行っている。第1報では,DRR画像表示条件を変化させた時の誤差と,DRR画像のスライス厚を変化させたときのオートマッチング限界座標と検証した。今回第2報として,不均質領域でのオートマッチングの精度を検証したので報告する。 【使用機器】 放射線治療装置:Clinac iX(VARIAN社製) 治療計画装置:Eclips 【方法】  希釈した造影剤を椎体,スポンジを肺にみたて周囲を寒天で満たした自作人体ファントム(胸部)を作成し,アイソセンターより3方向に1mm間隔ずつずらしてセットする。オートマッチング後の移動量の誤差を異なるDRR画像表示条件別(Abdomen,Airway,Bone,Breast,Chest,Lung)、関心領域別(全体,椎体),DRR画像スライス厚5mmと2mmについてオートマッチングを行った。 【結果】  全体的にDRR画像スライス厚は5mmより2mmのthin slice,関心領域別では不均質を含めた領域よりも椎体に小さく絞った領域の方が良好なマッチング精度が得られた。DRR画像表示条件別では関心領域(全体、椎体)の双方においてAirwayとChestで比較的良好なマッチング精度が得られた。関心領域を椎体に絞るとAbdomen,Bone,Breast,Chestのマッチング精度が向上した。Airwayは関心領域を椎体などに絞るよりも不均質領域が含まれている方のマッチング精度が向上した。 【考察】  DRR画像のオートマッチング精度はDRR画像スライス厚をthin sliceにすることで向上することから,DRR画像の空間分解能に依存していると考えられる。また,DRR画像表示条件別と関心領域の関係については,不均質を関心領域内に加えるか加えないかでオートマッチング精度が左右される為,実際の臨床では位置照合の対象となる部位を中心に考え,DRR画像を作成する必要がある。今回の不均質領域を考慮したDRR画像では視覚的にも良好なChestが最適であると考える。
Bibliography:1C-18
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.60.0.97.0