右肝動脈分岐異常を伴った膵頭部領域癌に対する膵頭十二指腸切除術症例の検討
分岐異常を伴った右肝動脈(aberrant right hepatic artery;以下,ARHAと略記)が併存する膵頭部領域癌12例に対し,膵頭十二指腸切除術(pancreaticoduodenectomy;以下,PDと略記)を施行した.膵癌8,遠位胆管癌3,乳頭部癌1であった.ARHAの分類は,上腸間膜動脈より右肝動脈が分岐するA型,上腸間膜動脈より総肝動脈が分岐するB型,腹腔動脈より右および左肝動脈がそれぞれ独立分岐するC型,胃十二指腸動脈末梢より右肝動脈が分岐するD型の4型とし,各々6,1,3,2例であった.10例はARHAを温存し,2例はR0切除のためARHAを合併切除した.ARH...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 48; no. 11; pp. 952 - 960 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
2015
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Subjects | |
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2014.0272 |
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Summary: | 分岐異常を伴った右肝動脈(aberrant right hepatic artery;以下,ARHAと略記)が併存する膵頭部領域癌12例に対し,膵頭十二指腸切除術(pancreaticoduodenectomy;以下,PDと略記)を施行した.膵癌8,遠位胆管癌3,乳頭部癌1であった.ARHAの分類は,上腸間膜動脈より右肝動脈が分岐するA型,上腸間膜動脈より総肝動脈が分岐するB型,腹腔動脈より右および左肝動脈がそれぞれ独立分岐するC型,胃十二指腸動脈末梢より右肝動脈が分岐するD型の4型とし,各々6,1,3,2例であった.10例はARHAを温存し,2例はR0切除のためARHAを合併切除した.ARHAの再建1例,非再建1例で,後者は胆管炎を繰り返した.R0/非R0は各々7/5であった.非R0の要因は,膵周囲剥離面浸潤4,肝転移1で,全例が再発原病死した.ARHA症例にPDを施行する際,術前の周到な画像評価に加え,R0を行ううえで,ARHAの分岐形態も入念に検討する必要がある. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2014.0272 |