自験胆嚢癌50例の検討

昭和46年7月より昭和54年8月までの8年2ヵ月間に北里大学で経験した胆嚢癌50例を対象に診断, 治療, 予後に関し検討した.胆嚢癌50例中女性35例 (70%) と女性に多くみられ, 主症状は腹痛, 発熱, 腹部腫瘤, 黄疸が多かった.外科症例28例中排泄性胆道造影が19例になされ18例 (94.7%) が胆嚢造影陰性例であった.また確定診断には現在腹部血管造影が最も有効と思われるが, 超音波検査法も今後期待される方法である.手術は27例に行われ切除できたのは11例 (40.7%) であり, 切除例でも癌浸潤が固有筋層をこえた8例は全て1年11ヵ月以内に死亡しその治療成績はいまだ極めて悪い....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 14; no. 9; pp. 1315 - 1322
Main Authors 大宮, 東生, 佐藤, 光史, 大場, 正己, 吉田, 宗紀, 阿曽, 弘一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1981
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.14.1315

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Summary:昭和46年7月より昭和54年8月までの8年2ヵ月間に北里大学で経験した胆嚢癌50例を対象に診断, 治療, 予後に関し検討した.胆嚢癌50例中女性35例 (70%) と女性に多くみられ, 主症状は腹痛, 発熱, 腹部腫瘤, 黄疸が多かった.外科症例28例中排泄性胆道造影が19例になされ18例 (94.7%) が胆嚢造影陰性例であった.また確定診断には現在腹部血管造影が最も有効と思われるが, 超音波検査法も今後期待される方法である.手術は27例に行われ切除できたのは11例 (40.7%) であり, 切除例でも癌浸潤が固有筋層をこえた8例は全て1年11ヵ月以内に死亡しその治療成績はいまだ極めて悪い.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.14.1315