当科における過去10年間の顎関節症患者の後ろ向き調査による臨床統計的検討

顎関節症患者の動向およびその現状を把握する目的で,1997年1月~2006年12月までの10年間に鹿児島大学病院口腔顎顔面外科を受診した顎関節症患者1,370名に対し臨床統計的検討を行った。事前調査の結果,年間顎関節症患者数は1997~2001年の5年間では170名前後で推移していたが,2002年以降は減少していた。今回,患者数の大きな変化がみられた年を境にして前期群(1997~2001年)と後期群(2002~2006年)に分類し,その違いを検討した。性別では男性患者が364例(26.6%),女性患者が1,006例(73.4%)で,男女比は1:2.76であった。年齢分布では,2001年までの前...

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Published in日本顎関節学会雑誌 Vol. 24; no. 1; pp. 22 - 27
Main Authors 中村, 康典, 吉田, 裕真, 石畑, 清秀, 野添, 悦郎, 中村, 典史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 2012
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Summary:顎関節症患者の動向およびその現状を把握する目的で,1997年1月~2006年12月までの10年間に鹿児島大学病院口腔顎顔面外科を受診した顎関節症患者1,370名に対し臨床統計的検討を行った。事前調査の結果,年間顎関節症患者数は1997~2001年の5年間では170名前後で推移していたが,2002年以降は減少していた。今回,患者数の大きな変化がみられた年を境にして前期群(1997~2001年)と後期群(2002~2006年)に分類し,その違いを検討した。性別では男性患者が364例(26.6%),女性患者が1,006例(73.4%)で,男女比は1:2.76であった。年齢分布では,2001年までの前期群が20歳代を中心とした1峰性の分布であったのに対し,2002年以降の後期群では50歳代にも小さなピークのある2峰性の分布を示し,前期群に比べ平均年齢が有意に高かった。初診時の主訴では開閉口時痛が最も多く,病悩期間が1年以上の症例は前期群に比べ後期群が多かった。症型分類では,後期群でIIIb型が前期群に比べ有意に少なくなっていた。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu.24.22