顎関節症スクリーニング質問票調査における偽陽性群および偽陰性群の原因背景

目的:一般歯科患者における顎関節症スクリーニング質問票調査1項目「開閉口時痛」(2値評価)での偽陽性群と偽陰性群の原因背景を調査する。 対象および方法:初診歯科患者1,225名(男性54.4%,女性45.6%)を対象とした。そのなかで,スクリーニングで陽性とされ,臨床診断で顎関節症と診断されなかった症例を偽陽性群とした。またスクリーニングで陰性とされ,臨床診断で顎関節症と診断された症例を偽陰性群とした。偽陽性群と真陰性群はその確定診断疾患構成割合を調査した。アンケート4項目(「開口障害」「開閉口時痛」「偏位開口」「硬固物咀嚼時痛」,5値評価)の回答を用いて,偽陽性群と真陰性群,偽陰性群と真陽性...

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Published in日本顎関節学会雑誌 Vol. 22; no. 1; pp. 15 - 20
Main Authors 木野, 孔司, 澁谷, 智明, 杉崎, 正志, 塚原, 宏泰, 島田, 淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 2010
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ISSN0915-3004
1884-4308
DOI10.11246/gakukansetsu.22.15

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Summary:目的:一般歯科患者における顎関節症スクリーニング質問票調査1項目「開閉口時痛」(2値評価)での偽陽性群と偽陰性群の原因背景を調査する。 対象および方法:初診歯科患者1,225名(男性54.4%,女性45.6%)を対象とした。そのなかで,スクリーニングで陽性とされ,臨床診断で顎関節症と診断されなかった症例を偽陽性群とした。またスクリーニングで陰性とされ,臨床診断で顎関節症と診断された症例を偽陰性群とした。偽陽性群と真陰性群はその確定診断疾患構成割合を調査した。アンケート4項目(「開口障害」「開閉口時痛」「偏位開口」「硬固物咀嚼時痛」,5値評価)の回答を用いて,偽陽性群と真陰性群,偽陰性群と真陽性群の症状比較を行った。 結果:偽陽性群は炎症性疾患やう蝕症の割合が真陰性群と同様に高かった。偽陽性群はアンケート4項目すべてにおいて真陰性群よりも有意に高得点であった。また偽陰性群と真陽性群の比較において,偽陰性群は「開閉口時痛」と「硬固物咀嚼時痛」で真陽性群よりも有意に低得点であった。 結論:偽陽性群は,真陰性群と同様に炎症性疾患とう蝕症が多く認められた。また偽陰性群は,真陽性群と比較して顎関節症症状において疼痛が弱かった。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu.22.15