Preventative program of aspiration pneumoniaeによる高齢消化器癌患者の術後誤嚥性肺炎の予防

目的:高齢者の術後誤嚥性肺炎は在院日数の延長,QOLの低下につながる.当科で行っているpreventative program of aspiration pneumoniae(以下,PPAPと略記)よる周術期介入の有用性を検討した.方法:PPAPは①PS 1以上の80歳以上とPS 1以上の75~79歳かつ嚥下機能に関する質問紙で嚥下機能の低下が疑われる患者の抽出,②嚥下機能評価(兵頭スコア),③嚥下リハビリ施行患者の抽出,④嚥下リハビリからなる.対象は2020年1月~2021年4月までに食道癌を除く消化器癌で根治術を施行した75歳以上の高齢者262例で,PPAPによる介入を行った52例(介入...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 55; no. 12; pp. 733 - 742
Main Authors 高橋, 崇真, 金岡, 祐次, 前田, 敦行, 高山, 祐一, 青山, 広希, 細井, 敬泰, 清板, 和昭, 菅田, 隆弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.12.2022
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Summary:目的:高齢者の術後誤嚥性肺炎は在院日数の延長,QOLの低下につながる.当科で行っているpreventative program of aspiration pneumoniae(以下,PPAPと略記)よる周術期介入の有用性を検討した.方法:PPAPは①PS 1以上の80歳以上とPS 1以上の75~79歳かつ嚥下機能に関する質問紙で嚥下機能の低下が疑われる患者の抽出,②嚥下機能評価(兵頭スコア),③嚥下リハビリ施行患者の抽出,④嚥下リハビリからなる.対象は2020年1月~2021年4月までに食道癌を除く消化器癌で根治術を施行した75歳以上の高齢者262例で,PPAPによる介入を行った52例(介入群)と介入をしなかった210例(非介入群)の患者背景,術後誤嚥性肺炎発生率を比較検討した.結果:介入群で有意に高齢(P<0.01),有意に術前アルブミン値(P<0.01),術前PNI値(P=0.03)が低かった.介入群52例中10例に嚥下リハビリを施行,残りの42例にも食事開始時に誤嚥の確認を行った.術後誤嚥性肺炎の発生は介入群0例(0%),非介入群5例(2.4%)で有意差は認めなかった(P=0.26)が介入群に誤嚥性肺炎の発生を認めなかった.結語:PPAPによる介入で,術後誤嚥性肺炎の予防が可能であった.高リスク患者のスクリーニングと,術後介入は術後誤嚥性肺炎の予防に有用である.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2022.0003