蛋白質の薄い三次元結晶の電子線結晶構造解析と荷電情報の取得

膜蛋白質や生体超分子複合体では,小さく薄すぎてX線回折に利用できない結晶が得られることがよく経験される.私たちは,このような微小で薄い三次元の結晶から構造決定を行う電子線結晶構造解析の技術を開発した.電子線では,同じ原子でも電荷を持ったものと中性のもので散乱のされ方が大きく異なる.この特徴を活かし,蛋白質の活性部位にある金属原子の酸化状態や,アミノ酸側鎖のプロトン化状態を明らかにできた....

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Published in顕微鏡 Vol. 50; no. 3; pp. 201 - 204
Main Authors 米倉, 功治, 加藤, 一幸, 小笠原, 光雄, 富田, 正弘, 豊島, 近
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本顕微鏡学会 30.12.2015
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Summary:膜蛋白質や生体超分子複合体では,小さく薄すぎてX線回折に利用できない結晶が得られることがよく経験される.私たちは,このような微小で薄い三次元の結晶から構造決定を行う電子線結晶構造解析の技術を開発した.電子線では,同じ原子でも電荷を持ったものと中性のもので散乱のされ方が大きく異なる.この特徴を活かし,蛋白質の活性部位にある金属原子の酸化状態や,アミノ酸側鎖のプロトン化状態を明らかにできた.
ISSN:1349-0958
2434-2386
DOI:10.11410/kenbikyo.50.3_201