頸動脈プラーク病変における新生血管について 新画像法から

「はじめに」頸動脈狭窄症例の治療は, いくつかの大規模試験や血管内治療のCAVATAS試験などの結果から2)4)8)15), 中等度から高度狭窄病変では内科的な治療に対して外科的治療の優位性が確立した. その結果や近年の脳虚血疾患の増加に伴い頸動脈狭窄症例の手術治療が増加してきている. ただ, 外科的治療の優位性は手術に伴うリスクが, 個々の施設において症候性の場合では6%以下, 無症候性では3%以下でなければならない. そのためにも術前に狭窄部位のプラーク性状, つまり頸動脈血管壁におけるプラークの局在, 潰瘍病変, 壁内lipid poolや壁内出血, プラーク内新生血管などの有無を把握す...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 35; no. 3; pp. 167 - 173
Main Authors 池嶋, 弘晃, 岡田, 哲哉, 中岡, 勤, 伊藤, 建次郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2007
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.35.167

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Summary:「はじめに」頸動脈狭窄症例の治療は, いくつかの大規模試験や血管内治療のCAVATAS試験などの結果から2)4)8)15), 中等度から高度狭窄病変では内科的な治療に対して外科的治療の優位性が確立した. その結果や近年の脳虚血疾患の増加に伴い頸動脈狭窄症例の手術治療が増加してきている. ただ, 外科的治療の優位性は手術に伴うリスクが, 個々の施設において症候性の場合では6%以下, 無症候性では3%以下でなければならない. そのためにも術前に狭窄部位のプラーク性状, つまり頸動脈血管壁におけるプラークの局在, 潰瘍病変, 壁内lipid poolや壁内出血, プラーク内新生血管などの有無を把握することが重要であり, それが治療における一番のリスク要因である手術リスクの軽減に直結する1)3). 近年, それらを観察できる機器として, 超音波検査が注目され臨床現場で応用されてきている. 超音波検査におけるmodalityの1つであるHarmonic Imaging法(以後HI法)は, 組織の灌流を観察できる.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.35.167