自己免疫性膵炎に対するステロイド維持療法中に IgG4関連下垂体炎を発症した1例

67歳,男性.自己免疫性膵炎に対するステロイド維持療法中に視野障害,尿崩症が出現した.膵臓病変の増大はなかったが,血清IgG4(immunoglobulin G4)濃度は上昇しており,MRI(magnetic resonance imaging)での下垂体腫大と併せてIgG4関連下垂体炎と診断した.汎下垂体機能低下症も認め,高用量のステロイド治療を開始したところ,下垂体腫大は軽減し,視野障害の改善及び下垂体機能の部分的な回復が得られた.IgG4関連疾患は,維持療法中であっても下垂体炎の発症を念頭に置く必要がある....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 111; no. 8; pp. 1588 - 1593
Main Authors 大黒, 顕佑, 尾股, 慧, 手塚, 雄太, 小野, 美澄, 森本, 玲, 白井, 剛志, 宮崎, 真理子, 張替, 秀郎, 佐藤, 文俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.08.2022
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Summary:67歳,男性.自己免疫性膵炎に対するステロイド維持療法中に視野障害,尿崩症が出現した.膵臓病変の増大はなかったが,血清IgG4(immunoglobulin G4)濃度は上昇しており,MRI(magnetic resonance imaging)での下垂体腫大と併せてIgG4関連下垂体炎と診断した.汎下垂体機能低下症も認め,高用量のステロイド治療を開始したところ,下垂体腫大は軽減し,視野障害の改善及び下垂体機能の部分的な回復が得られた.IgG4関連疾患は,維持療法中であっても下垂体炎の発症を念頭に置く必要がある.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.111.1588