ナノ粒子の電子線トモグラフィーの進展

電子線トモグラフィーはナノメートルスケールでの高い空間分解能で物質の3次元立体構造を解析する手法として様々な研究分野で利用されている.投影像の傾斜シリーズから立体構造を再構築する演算処理方法の発展も著しく,最近では原子の3次元配列の再構築も行われるようになってきた.本稿では,金属ナノ粒子への電子線トモグラフィーの応用に焦点を絞って,まずその技術的な課題を示した上で最近の進展を紹介する.特に,試料傾斜角度範囲の制限に伴うmissing wedgeの問題に対するDART(Discrete Algebraic Reconstruction Technique)法と,原子分解能の電子線トモグラフィーの...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in顕微鏡 Vol. 53; no. 3; pp. 108 - 112
Main Authors 山本, 知一, 松村, 晶, 重松, 晃次, 麻生, 浩平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本顕微鏡学会 30.12.2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-0958
2434-2386
DOI10.11410/kenbikyo.53.3_108

Cover

More Information
Summary:電子線トモグラフィーはナノメートルスケールでの高い空間分解能で物質の3次元立体構造を解析する手法として様々な研究分野で利用されている.投影像の傾斜シリーズから立体構造を再構築する演算処理方法の発展も著しく,最近では原子の3次元配列の再構築も行われるようになってきた.本稿では,金属ナノ粒子への電子線トモグラフィーの応用に焦点を絞って,まずその技術的な課題を示した上で最近の進展を紹介する.特に,試料傾斜角度範囲の制限に伴うmissing wedgeの問題に対するDART(Discrete Algebraic Reconstruction Technique)法と,原子分解能の電子線トモグラフィーの可能性を拓いたEST(Equally Sloped Tomography)法による解析例をそれぞれ紹介してそれらの有効性を述べる.
ISSN:1349-0958
2434-2386
DOI:10.11410/kenbikyo.53.3_108