全身性炎症反応症候群(SIRS)におけるADVIA2120サイトグラムパターンおよびパラメータの有用性

全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome; SIRS)症例を迅速に捉える目的で,ADVIA2120より得られるサイトグラムパターン及びパラメータの有用性を検討した。好中球の大きさ,左方移動をそれぞれ反映するNeY,PMNxについて解析した。健常者群(n = 22)とSIRS基準を満たす血液培養陽性群(n = 13)では,NeY(p < 0.0001)及びPMNx(p < 0.05)に有意差を認めたが,健常者群とSIRS基準を満たさない血液培養陽性群(n = 5)では有意差はなかった。次に,サイトグラムがNeY高値,PMNx...

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Published in医学検査 Vol. 66; no. 6; pp. 622 - 628
Main Authors 青江, 伯規, 今田, 昌秀, 日野, 佳弥, 高橋, 孝英, 渡部, 俊幸, 柴倉, 美砂子, 岡田, 健, 大塚, 文男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 2017
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Summary:全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome; SIRS)症例を迅速に捉える目的で,ADVIA2120より得られるサイトグラムパターン及びパラメータの有用性を検討した。好中球の大きさ,左方移動をそれぞれ反映するNeY,PMNxについて解析した。健常者群(n = 22)とSIRS基準を満たす血液培養陽性群(n = 13)では,NeY(p < 0.0001)及びPMNx(p < 0.05)に有意差を認めたが,健常者群とSIRS基準を満たさない血液培養陽性群(n = 5)では有意差はなかった。次に,サイトグラムがNeY高値,PMNx低値(SIRSパターンと定義)を示したSIRS群(n = 33),顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte-colony stimulating factor; G-CSF)使用群(n = 10)について検討した。健常者群と比較し,NeYはSIRS群及びG-CSF使用群で有意に高値であり(p < 0.0001),PMNxはSIRS群(p < 0.0001)及びG-CSF使用群(p < 0.05)で有意に低値であった。しかしSIRS群とG-CSF使用群ではNeY,PMNxともに有意差はなく,SIRS群で%MONOが有意に低値であった(p < 0.01)。またSIRSパターンを示したSIRS症例では,死亡例を含む重度の症例を多く認めた。サイトグラムやパラメータから炎症反応に伴う好中球の変化を迅速に捉えることは,SIRSの病態を示唆する情報として有用である。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.17-93