急性右心不全・急性腎不全で発症し V-A ECMOを要した衝心脚気の1例

60歳台,男性.めまい・倦怠感でA病院を受診し,急性腎不全で入院となった.入院時より心エコーで肺高血圧と右心系の拡大を認め,翌日に突然の血圧低下と意識障害,アシドーシスの急激な進行を認めた.数時間後に心停止し,緊急でV-A ECMO(veno-arterial extracorporeal membrane oxygenation)を導入した.その後も血圧低値が遷延したが,ビタミンB1の補充を行ったところ,血行動態は安定し,衝心脚気と診断した.原因不明の急性右心不全・肺高血圧の症例ではその可能性も念頭に置く必要がある....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 110; no. 8; pp. 1649 - 1655
Main Authors 川原, 有貴, 千葉, 義郎, 山田, 典弘, 椎名, 映里, 郡司, 真誠, 荷見, 祥子, 黒澤, 洋, 佐藤, ちひろ, 海老原, 至, 大平, 晃司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.08.2021
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Summary:60歳台,男性.めまい・倦怠感でA病院を受診し,急性腎不全で入院となった.入院時より心エコーで肺高血圧と右心系の拡大を認め,翌日に突然の血圧低下と意識障害,アシドーシスの急激な進行を認めた.数時間後に心停止し,緊急でV-A ECMO(veno-arterial extracorporeal membrane oxygenation)を導入した.その後も血圧低値が遷延したが,ビタミンB1の補充を行ったところ,血行動態は安定し,衝心脚気と診断した.原因不明の急性右心不全・肺高血圧の症例ではその可能性も念頭に置く必要がある.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.110.1649