自然公園管理に対するCVM (仮想的市場評価法) を用いたアプローチ

今日, 自然公園では過剰利用が生じており, 混雑や喧騒により快適な利用が妨げられるだけでなく, 植生の破壊などをも引き起こしている。これらに対しては, 生態系の保護などの新たな価値観を考慮した計画の策定や見直しが必要である。本稿では, 生態系の保護といった評価が不可能であった非利用価値を貨幣として評価できる環境評価の手法・CVM (仮想的市場評価法) について考察する。雨竜沼湿原における「快適な野外レクリエーションの提供」と「植生の保護」に対する支払意志額をCVMを用いて評価すると, 中央値で1,186円, 平均値で1761円と推定された。この結果を基に過剰利用を防ぐための様々な施策を考えるこ...

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Published inランドスケープ研究 Vol. 62; no. 5; pp. 699 - 702
Main Author 庄子, 康
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本造園学会 30.03.1999
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Summary:今日, 自然公園では過剰利用が生じており, 混雑や喧騒により快適な利用が妨げられるだけでなく, 植生の破壊などをも引き起こしている。これらに対しては, 生態系の保護などの新たな価値観を考慮した計画の策定や見直しが必要である。本稿では, 生態系の保護といった評価が不可能であった非利用価値を貨幣として評価できる環境評価の手法・CVM (仮想的市場評価法) について考察する。雨竜沼湿原における「快適な野外レクリエーションの提供」と「植生の保護」に対する支払意志額をCVMを用いて評価すると, 中央値で1,186円, 平均値で1761円と推定された。この結果を基に過剰利用を防ぐための様々な施策を考えることが可能である。
ISSN:1340-8984
1348-4559
DOI:10.5632/jila.62.699