市街地における保護樹木の指定解除の動向とその要因

大阪府北部の豊中・池田・箕面市3市で保護樹木に指定された樹木は延べ446本にのぼるが, 約25年間で36.1%が指定解除されている。本研究では, 市街地における巨樹等の緑の保護に有用な知見を得ることを目的に, これら解除された樹木の元所有者を対象にアンケート調査を実施した。その結果, 指定解除に至った2大要因は樹木の枯死と開発 (賃貸住宅や自宅, 駐車場など) である一方で, 道路側に立地する樹木では落ち葉や枝の張り出しについての心配や近隣住民からの苦情などの精神的負担も大きかった。地域資源である保護樹木の減少を防ぐには, 所有者・近隣住民の相互理解に基づく協同での維持管理活動や利用の仕組みの...

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Published inランドスケープ研究 Vol. 65; no. 5; pp. 841 - 844
Main Authors 澤木, 昌典, 桑江, 利彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本造園学会 30.03.2002
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ISSN1340-8984
1348-4559
DOI10.5632/jila.65.841

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Summary:大阪府北部の豊中・池田・箕面市3市で保護樹木に指定された樹木は延べ446本にのぼるが, 約25年間で36.1%が指定解除されている。本研究では, 市街地における巨樹等の緑の保護に有用な知見を得ることを目的に, これら解除された樹木の元所有者を対象にアンケート調査を実施した。その結果, 指定解除に至った2大要因は樹木の枯死と開発 (賃貸住宅や自宅, 駐車場など) である一方で, 道路側に立地する樹木では落ち葉や枝の張り出しについての心配や近隣住民からの苦情などの精神的負担も大きかった。地域資源である保護樹木の減少を防ぐには, 所有者・近隣住民の相互理解に基づく協同での維持管理活動や利用の仕組みの構築が課題となろう。
ISSN:1340-8984
1348-4559
DOI:10.5632/jila.65.841