新キノロン系経口抗菌剤NY-198剤投与による健康成人腸内菌叢の変動
新キノロン系抗菌剤NY-198を健康成人男子7名に1回200mg, 1日3回, 8日間連続経口投与し, 各被験者の腸内菌叢の変動と, その糞便中薬剤濃度との関係について検討した。 さらにClostridium difficileとその毒素の存在, 下痢等の副作用などについてもあわせて検討した。 1.総菌数は実験期間中ほぼ一定していた。 2.NY-198剤投与により好気性菌群が強く抑制された。特にEnterobacteriaceaeは投薬開始後早期に消失し, 投薬終了後6日目にほぼ回復した。糞便中に活性薬剤濃度が高濃度に検出されるにしたがって減少, 消失が認められた。 3.偏性嫌気性菌群では,...
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Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 36; no. Supplement2-Base; pp. 120 - 131 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
1988
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Summary: | 新キノロン系抗菌剤NY-198を健康成人男子7名に1回200mg, 1日3回, 8日間連続経口投与し, 各被験者の腸内菌叢の変動と, その糞便中薬剤濃度との関係について検討した。 さらにClostridium difficileとその毒素の存在, 下痢等の副作用などについてもあわせて検討した。 1.総菌数は実験期間中ほぼ一定していた。 2.NY-198剤投与により好気性菌群が強く抑制された。特にEnterobacteriaceaeは投薬開始後早期に消失し, 投薬終了後6日目にほぼ回復した。糞便中に活性薬剤濃度が高濃度に検出されるにしたがって減少, 消失が認められた。 3.偏性嫌気性菌群では, Eubacteria, peptococcaceaeが投薬開始初期に減少したが, ただちに回復した。また, Veillonellaおよびレシチナーゼ陽性Clostridiaは投薬期間中減少傾向が認められた。 4.C.difficileはいずれの被験者からも分離されなかったが糞便中にはC.difficile毒素が被験者No.3で投薬終了後6日目に, 被験者No.6では投薬前に検出された。しかし, 便性状は正常であった。 5.NY-198剤投与による腸内菌叢の乱れが投薬前の菌叢に復帰するまでには, 投薬終了後20日目でもまだ不完全で, さらに1~2週間を要すると考えられる。 6.実験期間中, すべての被験者に下痢等の副作用は認められなかった。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.36.Supplement2-Base_120 |