医療現場における生分解性プラスチックの可能性

21世紀に入り医療モダリティーの大幅な変革に伴って,医療現場における生分解性ポリマーのニーズは増加の一途を辿っている。一般的に,半永久的に生体の生理的機能を代替する材料には非生分解性材料が求められるのに対し,一時的に生体の生理的機能を代替し自己修復機能を補助する場合は生分解性材料が好ましい。その一方で近年,ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)やティッシュ・エンジニアリング(組織工学)の分野においては生分解挙動を積極的に利用する新たな治療戦略が次々と提案されている。本稿では生分解性材料の医療現場での実用例を概説するとともに,今後の可能性について議論したい。...

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Bibliographic Details
Published in化学と教育 Vol. 72; no. 6; pp. 228 - 231
Main Author 荏原, 充宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学会 20.06.2024
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ISSN0386-2151
2424-1830
DOI10.20665/kakyoshi.72.6_228

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Summary:21世紀に入り医療モダリティーの大幅な変革に伴って,医療現場における生分解性ポリマーのニーズは増加の一途を辿っている。一般的に,半永久的に生体の生理的機能を代替する材料には非生分解性材料が求められるのに対し,一時的に生体の生理的機能を代替し自己修復機能を補助する場合は生分解性材料が好ましい。その一方で近年,ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)やティッシュ・エンジニアリング(組織工学)の分野においては生分解挙動を積極的に利用する新たな治療戦略が次々と提案されている。本稿では生分解性材料の医療現場での実用例を概説するとともに,今後の可能性について議論したい。
ISSN:0386-2151
2424-1830
DOI:10.20665/kakyoshi.72.6_228