合成抗菌剤T-3262のイヌ6ヵ月間経口投与慢性毒性試験

T-3262のビーグル犬6ヵ月間経口投与慢性毒性試験を400mg/kg, 100mg/kg, 25mg/kg投与群を設定して行い以下の結果を得た。 1) 症状観察では, 糞中への検体の排泄が400mg/kg投与群の全例に投与期間を通じてみられた。同様の現象が100mg/kg投与群の少数例にも散発的に認められたが, 25mg/kg投与群では認められなかった。軽度の体重減少が400mg/kg投与群2/12例に認められた。摂餌量心電図眼科的検査結果には, 異常は認められなかった。 2) 尿検査では, 検体析出によると思われる尿中結晶の出現が400mg/kg投与群3/12例, 100mg/kg投与群4...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 36; no. Supplement9-Base; pp. 250 - 293
Main Authors 中川, 重仁, 上原, 京, 永井, 章夫, 長沢, 峰子, 吉田, 一晴, 米田, 豊昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1988
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Summary:T-3262のビーグル犬6ヵ月間経口投与慢性毒性試験を400mg/kg, 100mg/kg, 25mg/kg投与群を設定して行い以下の結果を得た。 1) 症状観察では, 糞中への検体の排泄が400mg/kg投与群の全例に投与期間を通じてみられた。同様の現象が100mg/kg投与群の少数例にも散発的に認められたが, 25mg/kg投与群では認められなかった。軽度の体重減少が400mg/kg投与群2/12例に認められた。摂餌量心電図眼科的検査結果には, 異常は認められなかった。 2) 尿検査では, 検体析出によると思われる尿中結晶の出現が400mg/kg投与群3/12例, 100mg/kg投与群4/8例, 25mg/kg投与群2/8例の尿沈渣中に認められた。 3) 血液学的検査結果には, 検体投与に起因すると思われる変化はなかった。 4) 血液化学検査結果では, 投与2ヵ月以降総蛋白の軽度減少とA/G比の軽度増加傾向がみられたが用量相関は明瞭ではなかった。体重減少を示した2例のうち1例に総蛋白, 総コレステロール, トリグリセライド, リン脂質の減少が認められた。 5) 剖検時の肉眼的観察, 組織学的および電顕的検査結果では, 検体投与に起因すると思われる異常は認められなかった。 6) 本試験における最大無影響量は100mg/kgであった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.36.Supplement9-Base_250