対人・非対人的感謝介入が小学生の学校適応に及ぼす効果に関する検討 反すう,楽観性,悲観性,及びストレス反応に着目して

本研究は,感謝の対象を人への感謝である対人的感謝によるものと,こと・ものへの感謝である非対人的感謝によるものに統制した上で,感謝の筆記と読み上げが,反すう,楽観性,悲観性,ストレス反応に及ぼす効果について検討したものである。小学5・6年生183名を対象とし,87名を対人的感謝群,96名を非対人的感謝群に割り付けた。研究協力者は,3週間にわたり,感謝対象と内容を記載し,読み上げる活動を行った。時期はpre,post,follow-upの3水準で変化を比較した。その結果,対人的感謝群においては,感謝と楽観性の有意な上昇が見られた。非対人的感謝群においては,感謝の有意な上昇とストレス反応の有意な低下...

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Published in教育心理学研究 Vol. 70; no. 1; pp. 87 - 99
Main Authors 市下, 望, 野田, 哲朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本教育心理学会 30.03.2022
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Summary:本研究は,感謝の対象を人への感謝である対人的感謝によるものと,こと・ものへの感謝である非対人的感謝によるものに統制した上で,感謝の筆記と読み上げが,反すう,楽観性,悲観性,ストレス反応に及ぼす効果について検討したものである。小学5・6年生183名を対象とし,87名を対人的感謝群,96名を非対人的感謝群に割り付けた。研究協力者は,3週間にわたり,感謝対象と内容を記載し,読み上げる活動を行った。時期はpre,post,follow-upの3水準で変化を比較した。その結果,対人的感謝群においては,感謝と楽観性の有意な上昇が見られた。非対人的感謝群においては,感謝の有意な上昇とストレス反応の有意な低下が見られた。以上の結果を踏まえ,今後の課題について考察を行った。
ISSN:0021-5015
2186-3075
DOI:10.5926/jjep.70.87