菌球を伴ったアレルギー性気管支肺アスペルギルス症の長期観察例

症例は41歳男性.2年間持続する喘鳴, 呼吸困難, 発熱を主訴に受診.胸部レントゲンで右上葉に菌球を伴う空洞性陰影あり, また, Rosenbergらのアレルギー性気管支肺アスペルギルス症 (以下ABPA) の診断基準のうち主要所見7項目すべてを満たし, 菌球を伴ったABPAと診断.プレドニゾロン, ファンギゾン吸入およびフルコナゾール, フルシトシンの投与にて軽快.2年間の抗真菌剤投与およびプレドニゾロン10~15mg隔日投与にて菌球は消失した.11年間で肺機能障害は徐々に進行したが, 社会生活の継続は可能であった.線維化期のABPAでの菌球合併は希なことではなく, こうした症例では抗真菌剤...

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 60; no. 5; pp. 649 - 654
Main Authors 岡田, 哲朗, 足立, 満, 土手, 邦夫, 大島, 伸一, 水野, 哲雄, 中村, 美加栄, 竹内, 鉄郎, 国分, 二三男, 豊田, 高彰, 佐々木, 史子, 柳瀬, 賢次, 丸山, 繁, 水野, 雅夫, 中野, 秀樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 28.10.2000
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ISSN0037-4342
2185-0976
DOI10.14930/jsma1939.60.649

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Summary:症例は41歳男性.2年間持続する喘鳴, 呼吸困難, 発熱を主訴に受診.胸部レントゲンで右上葉に菌球を伴う空洞性陰影あり, また, Rosenbergらのアレルギー性気管支肺アスペルギルス症 (以下ABPA) の診断基準のうち主要所見7項目すべてを満たし, 菌球を伴ったABPAと診断.プレドニゾロン, ファンギゾン吸入およびフルコナゾール, フルシトシンの投与にて軽快.2年間の抗真菌剤投与およびプレドニゾロン10~15mg隔日投与にて菌球は消失した.11年間で肺機能障害は徐々に進行したが, 社会生活の継続は可能であった.線維化期のABPAでの菌球合併は希なことではなく, こうした症例では抗真菌剤投与が有用と考えられた.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.60.649