胆嚢原発悪性線維性組織球腫の1例

症例は74歳の女性. 平成6年4月中旬より繰り返す心窩部不快感を主訴として来院. 腹部エコー, 腹部CTにて胆嚢結石および胆嚢壁肥厚とそれに接した肝内に腫瘤様病変を認め, 腹部血管造影では胆嚢動脈に途絶, 屈曲がみられ, 右前区域枝を栄養血管とする腫瘤濃染を認めた. 肝直接浸潤を伴った胆嚢癌と診断. 平成6年6月7日拡大胆嚢摘出術を施行した. 病理学的には悪性線維性組織球腫であった. 術後照射40Gray施行し, 平成7年12月現在再発の兆候なく外来にて経過観察中である. 胆嚢原発の悪性線維性組織球腫は非常にまれで, 本邦報告例は自験例を含めいまだ8例を数えるのみであった....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 29; no. 3; pp. 746 - 750
Main Authors 雪本, 清隆, 林部, 章, 阪本, 一次, 柳, 善佑, 田中, 肇, 鬼頭, 秀樹, 十倉, 寛治, 竹林, 淳, 浅田, 健蔵, 樽谷, 英二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1996
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.29.746

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Summary:症例は74歳の女性. 平成6年4月中旬より繰り返す心窩部不快感を主訴として来院. 腹部エコー, 腹部CTにて胆嚢結石および胆嚢壁肥厚とそれに接した肝内に腫瘤様病変を認め, 腹部血管造影では胆嚢動脈に途絶, 屈曲がみられ, 右前区域枝を栄養血管とする腫瘤濃染を認めた. 肝直接浸潤を伴った胆嚢癌と診断. 平成6年6月7日拡大胆嚢摘出術を施行した. 病理学的には悪性線維性組織球腫であった. 術後照射40Gray施行し, 平成7年12月現在再発の兆候なく外来にて経過観察中である. 胆嚢原発の悪性線維性組織球腫は非常にまれで, 本邦報告例は自験例を含めいまだ8例を数えるのみであった.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.29.746