噴門側胃切除後に食道残胃吻合にて再建した巨大胃gastrointestinal stromal tumorの1例
症例は71歳の女性で,主訴は腹部膨隆であった.胃上中部に位置する長径20 cmのgastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)の診断となり手術を施行した.胃上中部大彎後壁と連続した腫瘍を認め,胃下部は温存可能と判断し噴門側胃切除術を施行した.再建は残胃観察の容易さなどの面から食道残胃吻合として,術後逆流性食道炎予防のため観音開き法による食道残胃吻合を行った.術後経過は良好であり,術後14日目に退院した.Modified Fletcher分類で高リスクであり,imatinibを投与し,術後16か月現在無再発生存中である.吻合部狭窄や逆流性食道炎の症状はなく経...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 54; no. 9; pp. 579 - 586 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.09.2021
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Subjects | |
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2020.0137 |
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Summary: | 症例は71歳の女性で,主訴は腹部膨隆であった.胃上中部に位置する長径20 cmのgastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)の診断となり手術を施行した.胃上中部大彎後壁と連続した腫瘍を認め,胃下部は温存可能と判断し噴門側胃切除術を施行した.再建は残胃観察の容易さなどの面から食道残胃吻合として,術後逆流性食道炎予防のため観音開き法による食道残胃吻合を行った.術後経過は良好であり,術後14日目に退院した.Modified Fletcher分類で高リスクであり,imatinibを投与し,術後16か月現在無再発生存中である.吻合部狭窄や逆流性食道炎の症状はなく経過している.自験例のような胃上中部の巨大GIST症例に対し,臓器・機能温存,術後QOLの観点から噴門側胃切除術,観音開き法による食道残胃吻合は有用であると考えられた. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2020.0137 |