腸間膜原発髄外性形質細胞腫の1例

髄外性形質細胞腫は骨髄以外に発生する形質細胞腫であり,頭頸部に多く発生し腸間膜に発生することは非常にまれである.今回,腸間膜原発の髄外性形質細胞腫の1例を経験したので報告する.症例は68歳の男性で,検診で腹部腫瘤を指摘され,当科紹介となった.CTにて上腹部に充実性腫瘤を認め,ガリウムシンチグラフィーで均一な集積を認めた.腸間膜腫瘍の診断で手術を施行した.腸間膜に約13 cmの腫瘍を認め,切除した.摘出標本の病理組織学的検査所見からIgGκ型の腸間膜原発髄外性形質細胞腫と診断した.病理学的に完全切除できたため,術後補助化学療法は施行せず経過観察中であるが,術後8年5か月を経過して無再発生存中であ...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 49; no. 8; pp. 746 - 753
Main Authors 滝口, 伸浩, 鍋谷, 圭宏, 山本, 宏, 伊丹, 真紀子, 早田, 浩明, 外岡, 亨, 貝沼, 修, 池田, 篤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2016
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.2015.0187

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Summary:髄外性形質細胞腫は骨髄以外に発生する形質細胞腫であり,頭頸部に多く発生し腸間膜に発生することは非常にまれである.今回,腸間膜原発の髄外性形質細胞腫の1例を経験したので報告する.症例は68歳の男性で,検診で腹部腫瘤を指摘され,当科紹介となった.CTにて上腹部に充実性腫瘤を認め,ガリウムシンチグラフィーで均一な集積を認めた.腸間膜腫瘍の診断で手術を施行した.腸間膜に約13 cmの腫瘍を認め,切除した.摘出標本の病理組織学的検査所見からIgGκ型の腸間膜原発髄外性形質細胞腫と診断した.病理学的に完全切除できたため,術後補助化学療法は施行せず経過観察中であるが,術後8年5か月を経過して無再発生存中である.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2015.0187