腹腔鏡下に治療しえたS状結腸間膜窩ヘルニアの1例

症例は51歳の男性で,下腹部痛で近医を受診し,腸閉塞の診断で当院に紹介された.CTで左下腹部に閉塞機転を有する絞扼性イレウスを認め,腹腔鏡下に緊急手術を行った.腹腔内を観察すると,S状結腸間膜後腹膜付着部の2 cm大の陥凹に小腸の嵌頓を認め,S状結腸間膜窩ヘルニアと診断した.嵌頓を解除した小腸に壊死はなく,陥凹部を縫合閉鎖し手術を終了した.術後経過は良好で,第4病日に退院となった.S状結腸間膜窩ヘルニアは比較的まれな疾患で,腹腔鏡下に治療した報告は少ない.今回,腹腔鏡下に治療しえたS状結腸間膜窩ヘルニアの1例を経験したので報告する....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 49; no. 4; pp. 360 - 366
Main Authors 安田, 顕, 松井, 琢哉, 野々山, 敬介, 山本, 稔, 田中, 守嗣, 北上, 英彦, 近藤, 靖浩, 藤幡, 士郎, 渡部, かをり
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2016
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.2014.0271

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Summary:症例は51歳の男性で,下腹部痛で近医を受診し,腸閉塞の診断で当院に紹介された.CTで左下腹部に閉塞機転を有する絞扼性イレウスを認め,腹腔鏡下に緊急手術を行った.腹腔内を観察すると,S状結腸間膜後腹膜付着部の2 cm大の陥凹に小腸の嵌頓を認め,S状結腸間膜窩ヘルニアと診断した.嵌頓を解除した小腸に壊死はなく,陥凹部を縫合閉鎖し手術を終了した.術後経過は良好で,第4病日に退院となった.S状結腸間膜窩ヘルニアは比較的まれな疾患で,腹腔鏡下に治療した報告は少ない.今回,腹腔鏡下に治療しえたS状結腸間膜窩ヘルニアの1例を経験したので報告する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2014.0271