術前画像で疑いえたセロトニン産生性膵神経内分泌腫瘍の1切除例

症例は45歳の女性で,健診のUSで膵頭部の主膵管狭窄と尾側膵管の拡張を指摘された.CT,MRIで主膵管狭窄部に4 mmの早期濃染を呈する多血性腫瘤を認めたが,超音波内視鏡下穿刺吸引法およびERCP下に行った細胞診では確定診断に至らなかった.腫瘤は境界明瞭で早期濃染を呈していることから膵神経内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine tumor;以下,PanNETと略記)と診断した.さらに,腫瘍径が小さいにもかかわらず主膵管狭窄を伴うことからセロトニン産生性PanNETを疑い,腹腔鏡補助下膵頭十二指腸切除術を施行した.最終病理診断ではセロトニン産生性PanNETであった....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 54; no. 2; pp. 133 - 140
Main Authors 廣高, 健斗, 森, 泰寿, 大塚, 隆生, 渡邉, 雄介, 池永, 直樹, 仲田, 興平, 中山, 智博, 崎濱, 久紀子, 松田, 諒太, 小田, 義直, 中村, 雅史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.02.2021
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Summary:症例は45歳の女性で,健診のUSで膵頭部の主膵管狭窄と尾側膵管の拡張を指摘された.CT,MRIで主膵管狭窄部に4 mmの早期濃染を呈する多血性腫瘤を認めたが,超音波内視鏡下穿刺吸引法およびERCP下に行った細胞診では確定診断に至らなかった.腫瘤は境界明瞭で早期濃染を呈していることから膵神経内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine tumor;以下,PanNETと略記)と診断した.さらに,腫瘍径が小さいにもかかわらず主膵管狭窄を伴うことからセロトニン産生性PanNETを疑い,腹腔鏡補助下膵頭十二指腸切除術を施行した.最終病理診断ではセロトニン産生性PanNETであった.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2020.0028