協調運動の困難な知的障害児の全身運動における介入効果について―特別支援学校中学部生徒のサーキットトレーニングを通した協調運動の変化に着目して

知的障害児における協調運動の困難さは多く指摘されてきた。就学前後の知的障害児に対する運動指導を実施した先行研究はみられるものの、学童期以降の先行研究は少ない。本研究の目的は、知的特別支援学校中学部生徒2名に、5種類の粗大運動によるサーキットトレーニングを3か月15回実施し、粗大運動および微細運動の改善を目指すことであった。トレーニング期間の前・中間・後に粗大運動と微細運動の運動課題を各2種類実施して、効果を測定した。粗大運動の効果は、おぼん運び・片足跳びで測定した。微細運動の効果は、シール貼り・はさみ操作で測定した。その結果、サーキットトレーニング実施前後を比較すると、2名ともに、粗大運動と微...

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Published in特殊教育学研究 Vol. 61; no. 4; pp. 213 - 224
Main Authors 石井, 正幸, 赤木, 和重
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本特殊教育学会 29.02.2024
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ISSN0387-3374
2186-5132
DOI10.6033/tokkyou.22P045

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Summary:知的障害児における協調運動の困難さは多く指摘されてきた。就学前後の知的障害児に対する運動指導を実施した先行研究はみられるものの、学童期以降の先行研究は少ない。本研究の目的は、知的特別支援学校中学部生徒2名に、5種類の粗大運動によるサーキットトレーニングを3か月15回実施し、粗大運動および微細運動の改善を目指すことであった。トレーニング期間の前・中間・後に粗大運動と微細運動の運動課題を各2種類実施して、効果を測定した。粗大運動の効果は、おぼん運び・片足跳びで測定した。微細運動の効果は、シール貼り・はさみ操作で測定した。その結果、サーキットトレーニング実施前後を比較すると、2名ともに、粗大運動と微細運動の課題結果のいずれも改善がみられた。サーキットトレーニングは、粗大運動と微細運動のどちらの改善にも寄与する可能性があり、協調運動の機能向上は学童期以降でも可能性があることが示唆された。
ISSN:0387-3374
2186-5132
DOI:10.6033/tokkyou.22P045