マイナスイオンの正常とAkita糖尿病マウスの皮膚創傷治癒への効果

過去の研究からマイナスイオンの様々な効果が報告されている。本研究では、マイナス電位治療器が発生させるマイナスイオンが皮膚創傷治癒にどのような影響を与えるかを正常マウス(実験1)と糖尿病マウス(実験2)を用いて検討した。マウスの背部に左右1個ずつの直径8mmの円形皮膚全層欠損創を作製し、マイナスイオン曝露群と非曝露群に分け創面積の縮小を観察した。さらに、実験1では光学顕微鏡における創の性状を観察した。結果、実験1・実験2の両群とも同じような治癒過程を辿り、創面積の縮小において両群間に有意差は見られなかった。実験1においては創作製後10日目までに、実験2においては13日目までに創面積は創作製時の約...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in形態・機能 Vol. 20; no. 2; pp. 69 - 75
Main Authors 中谷, 壽男, 向井, 加奈恵, Iswara, Arya, 中島, 由加里, 間脇, 彩奈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published コ・メディカル形態機能学会 2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1347-7145
1884-6084
DOI10.11172/keitaikinou.20.69

Cover

More Information
Summary:過去の研究からマイナスイオンの様々な効果が報告されている。本研究では、マイナス電位治療器が発生させるマイナスイオンが皮膚創傷治癒にどのような影響を与えるかを正常マウス(実験1)と糖尿病マウス(実験2)を用いて検討した。マウスの背部に左右1個ずつの直径8mmの円形皮膚全層欠損創を作製し、マイナスイオン曝露群と非曝露群に分け創面積の縮小を観察した。さらに、実験1では光学顕微鏡における創の性状を観察した。結果、実験1・実験2の両群とも同じような治癒過程を辿り、創面積の縮小において両群間に有意差は見られなかった。実験1においては創作製後10日目までに、実験2においては13日目までに創面積は創作製時の約20%に縮小し、実験1の組織学的所見において、血管新生や膠原線維の発達に両群間で明確な差は見られなかった。すなわち、マイナスイオンの皮膚創傷治癒促進に対する効果は不明であった。
ISSN:1347-7145
1884-6084
DOI:10.11172/keitaikinou.20.69