奔豚と思われた諸症状に呉茱萸湯エキスと苓桂朮甘湯エキスの併用が奏効した6症例

奔豚と思われた諸症状に呉茱萸湯エキスと苓桂朮甘湯エキスの併用が奏効した症例を6例経験した。5例はパニック障害,1例は全般性不安障害と推定され,6例いずれも,動悸,吐き気,めまい,頭痛やそれらに随伴する不安感などを訴えて,肘後方奔豚湯証と考えられた。呉茱萸湯エキスと苓桂朮甘湯エキスの併用投与で症状軽快し,あるいは肘後方奔豚湯からの変更で症状は再発しなかった。呉茱萸湯エキスと苓桂朮甘湯エキス併用は肘後方奔豚湯の代用処方として奔豚の治療に有効である可能性が示された。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 60; no. 5; pp. 519 - 525
Main Authors 笠原, 裕司, 小林, 豊, 地野, 充時, 関矢, 信康, 並木, 隆雄, 大野, 賢二, 来村, 昌紀, 橋本, すみれ, 小川, 恵子, 奥見, 裕邦, 木俣, 有美子, 平崎, 能郎, 喜多, 敏明, 寺澤, 捷年
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 2009
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:奔豚と思われた諸症状に呉茱萸湯エキスと苓桂朮甘湯エキスの併用が奏効した症例を6例経験した。5例はパニック障害,1例は全般性不安障害と推定され,6例いずれも,動悸,吐き気,めまい,頭痛やそれらに随伴する不安感などを訴えて,肘後方奔豚湯証と考えられた。呉茱萸湯エキスと苓桂朮甘湯エキスの併用投与で症状軽快し,あるいは肘後方奔豚湯からの変更で症状は再発しなかった。呉茱萸湯エキスと苓桂朮甘湯エキス併用は肘後方奔豚湯の代用処方として奔豚の治療に有効である可能性が示された。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.60.519