肝外胆管より発生し腺癌との混在を認めた大細胞神経内分泌癌の1例

症例は76歳の女性で,心窩部の違和感を主訴に近医を受診し,肝腫瘍の疑いで当科紹介となった.腹部エコー,腹部CT,PET-CTにて肝内腫瘍と肝左葉および尾状葉の肝内胆管の拡張を認めた.肝内胆管癌の診断で拡大左肝切除術を行った.腫瘍は肝外胆管から肝実質内に進展するように存在していた.腫瘍の総胆管側には中~低分化型管状腺癌の像を認めたが,充実性成分のほとんどに大型の卵円形核を有するシート状に増生した細胞が認められた.免疫組織染色検査の結果,肝外胆管より発生した腺癌成分との混在を認める大細胞神経内分泌癌(large cell neuroendocrine carcinoma)と診断された....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 51; no. 3; pp. 187 - 195
Main Authors 湯田, 匡美, 薄葉, 輝之, 萩原, 慎, 大熊, 誠尚, 浅野, 久敏, 佐久田, 斉, 片木, 宏昭, 古川, 良幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2018
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Summary:症例は76歳の女性で,心窩部の違和感を主訴に近医を受診し,肝腫瘍の疑いで当科紹介となった.腹部エコー,腹部CT,PET-CTにて肝内腫瘍と肝左葉および尾状葉の肝内胆管の拡張を認めた.肝内胆管癌の診断で拡大左肝切除術を行った.腫瘍は肝外胆管から肝実質内に進展するように存在していた.腫瘍の総胆管側には中~低分化型管状腺癌の像を認めたが,充実性成分のほとんどに大型の卵円形核を有するシート状に増生した細胞が認められた.免疫組織染色検査の結果,肝外胆管より発生した腺癌成分との混在を認める大細胞神経内分泌癌(large cell neuroendocrine carcinoma)と診断された.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2016.0114