完全内臓逆位に合併した総胆管結石症に対して腹腔鏡下胆囊摘出術中にランデブー法を用いて採石を行った1例

症例は69歳の女性で,小児期より完全内臓逆位を指摘されている.今回総胆管結石による急性胆管炎で入院となり,採石のためERCPを行うも,乳頭が憩室内に開口しており胆管挿入が困難であった.胆管炎は抗生剤治療にて軽快したが,下部胆管に遺残結石があり,胆囊結石とともに外科的治療を行うこととした.総胆管結石症に対して,より侵襲の少ない腹腔鏡下でのランデブー法による内視鏡的採石術を選択した.腹腔鏡下に胆囊管からガイドワイヤーを透視下で十二指腸まで挿入し,それをガイドとして内視鏡的乳頭切開術,採石を行った.その後腹腔鏡下で胆囊摘出を行った.今回のような完全内臓逆位の症例において,内視鏡的治療困難な総胆管結石...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 51; no. 1; pp. 50 - 56
Main Authors 光岡, 英世, 藤本, 康二, 小松原, 隆司, 太田, 彩貴子, 山田, 元, 東山, 洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.01.2018
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Summary:症例は69歳の女性で,小児期より完全内臓逆位を指摘されている.今回総胆管結石による急性胆管炎で入院となり,採石のためERCPを行うも,乳頭が憩室内に開口しており胆管挿入が困難であった.胆管炎は抗生剤治療にて軽快したが,下部胆管に遺残結石があり,胆囊結石とともに外科的治療を行うこととした.総胆管結石症に対して,より侵襲の少ない腹腔鏡下でのランデブー法による内視鏡的採石術を選択した.腹腔鏡下に胆囊管からガイドワイヤーを透視下で十二指腸まで挿入し,それをガイドとして内視鏡的乳頭切開術,採石を行った.その後腹腔鏡下で胆囊摘出を行った.今回のような完全内臓逆位の症例において,内視鏡的治療困難な総胆管結石症に対して,腹腔鏡下内視鏡併用ランデブー法は侵襲の少ない有効な治療法であると考えられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2017.0007