副交通胆管枝の2手術例

胆道にはさまざまな走行異常が認められている.しかし,副交通胆管枝は非常にまれである.症例1は膵頭部癌の58歳女性で,術前に胆道の走行異常は指摘できなかった.術中に右肝管と胆囊管をつなぐ胆管を認め,術中造影で副交通胆管枝と診断した.症例2は胆囊結石症の36歳女性で,術前のMRCPで副交通胆管枝と診断可能であった.環状構造を温存した胆囊摘出術を施行した.既報の36例をまとめ,type A,cystic duct type,type B,bile duct type,type C,duplication typeと分類した.それぞれ14例,20例,2例となる.胆囊摘出術の場合,type B,Cでは環...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 47; no. 3; pp. 188 - 195
Main Authors 野村, 幸博, 櫻岡, 佑樹, 永井, 元樹, 田中, 信孝, 河口, 義邦, 小池, 大助
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2014
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.2013.0115

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Summary:胆道にはさまざまな走行異常が認められている.しかし,副交通胆管枝は非常にまれである.症例1は膵頭部癌の58歳女性で,術前に胆道の走行異常は指摘できなかった.術中に右肝管と胆囊管をつなぐ胆管を認め,術中造影で副交通胆管枝と診断した.症例2は胆囊結石症の36歳女性で,術前のMRCPで副交通胆管枝と診断可能であった.環状構造を温存した胆囊摘出術を施行した.既報の36例をまとめ,type A,cystic duct type,type B,bile duct type,type C,duplication typeと分類した.それぞれ14例,20例,2例となる.胆囊摘出術の場合,type B,Cでは環状構造を温存し,type Aでは環状構造の一部を切除するのが望ましい.膵頭十二指腸切除術の場合,type A,Bで1本または2本の胆道再建が選択可能である.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2013.0115