芍薬甘草湯が無効で疎経活血湯が奏効したこむら返りの4例

芍薬甘草湯が無効で,疎経活血湯が奏効したこむら返りの4例を経験した。症例1は73歳,男性。以前からあったこむら返りが1ヵ月くらい前から増強し,当科を初診。芍薬甘草湯7.5g/日を投与したが不変のため,疎経活血湯7.5g/日に変更したところ,速やかに軽減した。症例2は67歳女性。肩こり,腰痛などで通院中。夜間にこむら返りが出現するようになり,芍薬甘草湯7.5g/日を投与したが不変。疎経活血湯2.5g/眠前投与に変更したところ,こむら返りは速やかに軽減した。症例3は66歳女性。腰痛にて当科治療中。こむら返りが出現したため,芍薬甘草附子湯3.0g/日を投与したが,効果が少なく,疎経活血湯7.5g/日...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 62; no. 5; pp. 660 - 663
Main Authors 木村, 豪雄, 岩永, 淳, 三潴, 忠道, 村井, 政史, 犬塚, 央, 矢野, 博美, 大竹, 実, 土倉, 潤一郎, 田原, 英一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 2011
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0287-4857
1882-756X
DOI10.3937/kampomed.62.660

Cover

More Information
Summary:芍薬甘草湯が無効で,疎経活血湯が奏効したこむら返りの4例を経験した。症例1は73歳,男性。以前からあったこむら返りが1ヵ月くらい前から増強し,当科を初診。芍薬甘草湯7.5g/日を投与したが不変のため,疎経活血湯7.5g/日に変更したところ,速やかに軽減した。症例2は67歳女性。肩こり,腰痛などで通院中。夜間にこむら返りが出現するようになり,芍薬甘草湯7.5g/日を投与したが不変。疎経活血湯2.5g/眠前投与に変更したところ,こむら返りは速やかに軽減した。症例3は66歳女性。腰痛にて当科治療中。こむら返りが出現したため,芍薬甘草附子湯3.0g/日を投与したが,効果が少なく,疎経活血湯7.5g/日に変更したところ,速やかに消失した。症例4は75歳男性。左の下肢冷感で加療中。こむら返りが出現したため,芍薬甘草附子湯1.5g/日投与したが,変化は一時的で,疎経活血湯2.5g/日に変更したところ,速やかに消失した。血流を改善し,鎮痛効果の期待できる疎経活血湯は,芍薬甘草湯無効のこむら返りに試みられてよい方剤と考えられる。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.62.660