先天性胆道拡張症に合併した胆管small cell neuroendocrine carcinomaの1例
症例は48歳の男性で,検診の腹部USにて胆管拡張を指摘された.MRCPにて先天性胆道拡張症と診断され,拡張胆管の下端に約2 cm大の腫瘤像を認めた.造影CTで腫瘤は淡い造影効果を認めた.ERCPの胆汁細胞診にてadenocarcinomaと診断され,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術,拡張胆管切除術を施行した.病理所見はsmall cell neuroendocrine carcinoma(以下,SCNECと略記)であった.術後4か月目に肝転移再発を認めた.一次治療としてcisplatin+irinotecan療法,二次治療としてamrubicin療法を施行し,それぞれ部分奏効を認めたが,その後に進...
Saved in:
Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 54; no. 6; pp. 389 - 396 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.06.2021
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2020.0072 |
Cover
Summary: | 症例は48歳の男性で,検診の腹部USにて胆管拡張を指摘された.MRCPにて先天性胆道拡張症と診断され,拡張胆管の下端に約2 cm大の腫瘤像を認めた.造影CTで腫瘤は淡い造影効果を認めた.ERCPの胆汁細胞診にてadenocarcinomaと診断され,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術,拡張胆管切除術を施行した.病理所見はsmall cell neuroendocrine carcinoma(以下,SCNECと略記)であった.術後4か月目に肝転移再発を認めた.一次治療としてcisplatin+irinotecan療法,二次治療としてamrubicin療法を施行し,それぞれ部分奏効を認めたが,その後に進行を認め術後34か月で原病死した.胆管SCNECは切除されても早期に転移,再発を来しやすく予後不良な疾患である.先天性胆道拡張症に合併した胆管SCNECは非常にまれであるため報告する. |
---|---|
ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2020.0072 |