ラットエチオニン膵障害後の膵再生の検討

エチオニン単回投与による膵障害をラットを用いて作製し, 障害後の再生現象を組織学的・生化学的に検討した.エチオニン膵障害の程度はエチオニンの投与量に応じて強くなり, 急性膵炎を作製するのに必要なエチオニン単回投与量は40mg/100g body weightであった.障害程度が強いほどmitotic index, DNA合成能, labeling indexのピーク値は高く, 障害程度に応じた再生現象を確認できた.膵炎発症後のDNA合成能は5-7日目にピークを認める一峰性の変化を示し, autoradiogramによる検討では, 腺房細胞が主体を, そのlabeling indexも高値を示し...

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 51; no. 3; pp. 289 - 295
Main Authors 高山, 秀明, 新川, 淳一, 川田, 泰司, 尾町, 秀樹, 眞, 重雄, 八田, 善夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 1991
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Summary:エチオニン単回投与による膵障害をラットを用いて作製し, 障害後の再生現象を組織学的・生化学的に検討した.エチオニン膵障害の程度はエチオニンの投与量に応じて強くなり, 急性膵炎を作製するのに必要なエチオニン単回投与量は40mg/100g body weightであった.障害程度が強いほどmitotic index, DNA合成能, labeling indexのピーク値は高く, 障害程度に応じた再生現象を確認できた.膵炎発症後のDNA合成能は5-7日目にピークを認める一峰性の変化を示し, autoradiogramによる検討では, 腺房細胞が主体を, そのlabeling indexも高値を示した.膵障害発症後の再生現象が腺房細胞と非腺房細胞の総和として観察され, 障害程度が軽度なほど腺房細胞の再生は早期に開始された.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.51.289