筋突起過形成症の臨床的特徴と鑑別診断

筋突起過形成症は,過度に形成された筋突起が頰骨後面あるいは頰骨弓内面と干渉することによって開口障害などの顎運動障害を引き起こす疾患である。開口障害を呈する疾患のなかでも遭遇する頻度が比較的低いため,顎関節症と診断された結果,適切な治療がなされないことも少なくない。本疾患の診断には,現病歴や現症などの臨床情報を丁寧に聴取,収集したうえで,適切な画像検査を行うことが重要であり,また,顎関節や咀嚼筋に関連したほかの疾患が併存している場合があることも特徴である。本論文は,筋突起過形成症に遭遇した際に,正しく診断できるよう,その臨床的特徴や,顎関節症をはじめとする類似した症候を呈する疾患との鑑別点を整理...

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Published in日本顎関節学会雑誌 Vol. 35; no. 1; pp. 3 - 11
Main Authors 儀武, 啓幸, 依田, 哲也, 和気, 創
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 20.04.2023
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ISSN0915-3004
1884-4308
DOI10.11246/gakukansetsu.35.3

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Summary:筋突起過形成症は,過度に形成された筋突起が頰骨後面あるいは頰骨弓内面と干渉することによって開口障害などの顎運動障害を引き起こす疾患である。開口障害を呈する疾患のなかでも遭遇する頻度が比較的低いため,顎関節症と診断された結果,適切な治療がなされないことも少なくない。本疾患の診断には,現病歴や現症などの臨床情報を丁寧に聴取,収集したうえで,適切な画像検査を行うことが重要であり,また,顎関節や咀嚼筋に関連したほかの疾患が併存している場合があることも特徴である。本論文は,筋突起過形成症に遭遇した際に,正しく診断できるよう,その臨床的特徴や,顎関節症をはじめとする類似した症候を呈する疾患との鑑別点を整理した。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu.35.3