一般病棟に入院する認知症高齢者と看護師の相互作用の様相—認知症高齢者の安心につながる看護に向けて

本研究の目的は,一般病棟に入院する認知症高齢者と看護師の相互作用の様相を,認知症高齢者の安心につながる看護の観点から明らかにすることである.研究には認知症高齢者5名と看護師16名が参加した.参加観察をしたデータをもとに場面を再構成し,看護師へのインタビュー内容を解釈の参考にした.本論文では認知症高齢者の安心や不快に影響した看護師との相互作用の様相にテーマをつけ,認知症高齢者ごとに記述した.結果は,認知症高齢者の戸惑いを察して対応することや,認知症高齢者に拒まれた経験から馴染みの関係を築く,転倒を危惧しながらも認知症高齢者の現状をアセスメントし訴えに応じたことが,認知症高齢者に不快を生じさせない...

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Published in日本赤十字看護学会誌 Vol. 24; no. 1; pp. 53 - 62
Main Author 金子, 和恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本赤十字看護学会 2023
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Summary:本研究の目的は,一般病棟に入院する認知症高齢者と看護師の相互作用の様相を,認知症高齢者の安心につながる看護の観点から明らかにすることである.研究には認知症高齢者5名と看護師16名が参加した.参加観察をしたデータをもとに場面を再構成し,看護師へのインタビュー内容を解釈の参考にした.本論文では認知症高齢者の安心や不快に影響した看護師との相互作用の様相にテーマをつけ,認知症高齢者ごとに記述した.結果は,認知症高齢者の戸惑いを察して対応することや,認知症高齢者に拒まれた経験から馴染みの関係を築く,転倒を危惧しながらも認知症高齢者の現状をアセスメントし訴えに応じたことが,認知症高齢者に不快を生じさせない相互作用であった.一般病棟に入院する認知症高齢者の安心につながる看護は,認知症高齢者を個別の存在として関わることでアセスメントが深まり,その実践により認知症高齢者がその場に安心を感じられ,関係性の構築につながる相互作用であると考察した.
ISSN:1346-1346
2433-3425
DOI:10.24754/jjrcsns.24.1_53