接触鍼療法が奏効した結石疝痛発作の2例

古来,鍼灸治療は,急症に対して広く応用されてきた。また近年わが国では,現代医学と漢方医学の調和が図られてきた。このような背景の中でわれわれは,結石疝痛発作に対し小野文恵の創案による鍼灸療法(接触鍼法)が奏効した2症例を経験した。 第1例は尿管結石疝痛であった。一回の施療により疼痛は緩解し,その後漢方薬の併用にて排石に至った。第2例は総胆管結石の疝痛で食欲不振を伴っていた。同様に一回の施療により疼痛は緩解し食欲も回復したが,血液検査で胆管炎の合併を指摘され,手術となった。 今回の症例を通して結石疝痛発作に対する接触鍼療法の有用性とともに,現代医学的評価を並行して施行することの重要性を認識した。現...

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Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 61; no. 2; pp. 198 - 202
Main Authors 土佐, 寛順, 林, 万里子, 林, 克美, 津田, 昌樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 2010
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ISSN0287-4857
1882-756X
DOI10.3937/kampomed.61.198

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Summary:古来,鍼灸治療は,急症に対して広く応用されてきた。また近年わが国では,現代医学と漢方医学の調和が図られてきた。このような背景の中でわれわれは,結石疝痛発作に対し小野文恵の創案による鍼灸療法(接触鍼法)が奏効した2症例を経験した。 第1例は尿管結石疝痛であった。一回の施療により疼痛は緩解し,その後漢方薬の併用にて排石に至った。第2例は総胆管結石の疝痛で食欲不振を伴っていた。同様に一回の施療により疼痛は緩解し食欲も回復したが,血液検査で胆管炎の合併を指摘され,手術となった。 今回の症例を通して結石疝痛発作に対する接触鍼療法の有用性とともに,現代医学的評価を並行して施行することの重要性を認識した。現代医学と漢方医学の調和が重要と考えられた。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.61.198