高齢の経管栄養患者における反復性気道感染に鍼灸治療を行った3例

症例1は91歳男性,多発性脳梗塞のためX‐1年9月から胃瘻状態。咳嗽と発熱を繰り返すため,X年9月から週2回,太谿と尺沢に補法で置鍼を行った。抗生剤の投与日数は治療前6.3日/月,治療中1.2日/月で,発熱日数は治療前2.7日/月,治療中0.6日/月となった。 症例2は81歳男性,右視床出血のためX年6月から胃瘻状態。症例1と同様に鍼灸治療を同年12月から開始した。抗生剤の投与日数は治療前8日/月,治療中1日/月で,発熱日数は治療前4.5日/月,治療中0.6日/月となった。 症例3は93歳男性,認知症のためX‐1年11月から経鼻経管栄養状態。X年2月から症例1と同様に鍼灸治療を開始した。抗生剤...

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Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 59; no. 4; pp. 633 - 640
Main Authors 古谷, 陽一, 引網, 宏彰, 森, 昭憲, 小尾, 龍右, 嶋田, 豊, 後藤, 博三, 津田, 昌樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 2008
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ISSN0287-4857
1882-756X
DOI10.3937/kampomed.59.633

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Summary:症例1は91歳男性,多発性脳梗塞のためX‐1年9月から胃瘻状態。咳嗽と発熱を繰り返すため,X年9月から週2回,太谿と尺沢に補法で置鍼を行った。抗生剤の投与日数は治療前6.3日/月,治療中1.2日/月で,発熱日数は治療前2.7日/月,治療中0.6日/月となった。 症例2は81歳男性,右視床出血のためX年6月から胃瘻状態。症例1と同様に鍼灸治療を同年12月から開始した。抗生剤の投与日数は治療前8日/月,治療中1日/月で,発熱日数は治療前4.5日/月,治療中0.6日/月となった。 症例3は93歳男性,認知症のためX‐1年11月から経鼻経管栄養状態。X年2月から症例1と同様に鍼灸治療を開始した。抗生剤の投与日数は治療前9日間/月,治療中2日/月で,発熱日数は治療前10日間/月,治療中1.3日/月となった。 今回の経験から,高齢者の経管栄養患者における反復性気道感染に対して鍼灸治療の有用性が示唆された。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.59.633