上行結腸転移が腸重積症の原因となった悪性線維性組織球腫の1例
悪性線維性組織球腫(malignant fibrous histiocytoma;以下,MFHと略記)は四肢軟部組織に好発する腫瘍であり,骨や軟部組織に転移・再発することが多く,消化管に転移することはまれである.今回,我々は上行結腸に転移し,腸重積症を呈したMFHの1例を経験したので報告する.症例は68歳の男性で,左胸壁のMFHに対し腫瘍切除術施行7か月後に胸椎転移を来し,除圧固定術を施行した.その2か月後に右下腹部痛を主訴に来院し,CTにて上行結腸の軟部腫瘤による腸重積を確認した.回盲部切除術を施行し,上行結腸腫瘍が病理組織学的検査より,MFHの転移であると診断した.現在回盲部切除術後53か...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 47; no. 9; pp. 538 - 544 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
2014
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Subjects | |
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2013.0059 |
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Summary: | 悪性線維性組織球腫(malignant fibrous histiocytoma;以下,MFHと略記)は四肢軟部組織に好発する腫瘍であり,骨や軟部組織に転移・再発することが多く,消化管に転移することはまれである.今回,我々は上行結腸に転移し,腸重積症を呈したMFHの1例を経験したので報告する.症例は68歳の男性で,左胸壁のMFHに対し腫瘍切除術施行7か月後に胸椎転移を来し,除圧固定術を施行した.その2か月後に右下腹部痛を主訴に来院し,CTにて上行結腸の軟部腫瘤による腸重積を確認した.回盲部切除術を施行し,上行結腸腫瘍が病理組織学的検査より,MFHの転移であると診断した.現在回盲部切除術後53か月経過したが,腹腔内に再発は認めず,肺転移は出現しているが,骨転移は著変なく経過している. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2013.0059 |