幼児期に手術治療を行わなかった粘膜下口蓋裂患者の長期経過について

1977年から2012年までの35年間に静岡県立こども病院口蓋裂診療班を受診した粘膜下口蓋裂258例中,就学前に良好な鼻咽腔閉鎖機能を示し,未手術のまま長期的な経過観察を行えた25例に対し検討を加え以下の結果を得た。 1)鼻咽腔閉鎖機能が良好なまま経過した症例は対象症例の約1/3であり,残りは悪化もしくは変動を示していた。 2)合併疾患の有無と鼻咽腔閉鎖機能の変化には有意な相関は認められなかった。 3)鼻咽腔閉鎖機能の悪化時期は平均9歳7ヶ月であったが,症例により6~16歳と個人差が大きかった。 これらの結果から長期的な経過観察の必要性が示唆された。...

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Published in日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 39; no. 1; pp. 17 - 20
Main Authors 加藤, 光剛, 鈴木, 藍, 朴, 修三, 北野, 市子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口蓋裂学会 2014
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ISSN0386-5185
2186-5701
DOI10.11224/cleftpalate.39.17

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Summary:1977年から2012年までの35年間に静岡県立こども病院口蓋裂診療班を受診した粘膜下口蓋裂258例中,就学前に良好な鼻咽腔閉鎖機能を示し,未手術のまま長期的な経過観察を行えた25例に対し検討を加え以下の結果を得た。 1)鼻咽腔閉鎖機能が良好なまま経過した症例は対象症例の約1/3であり,残りは悪化もしくは変動を示していた。 2)合併疾患の有無と鼻咽腔閉鎖機能の変化には有意な相関は認められなかった。 3)鼻咽腔閉鎖機能の悪化時期は平均9歳7ヶ月であったが,症例により6~16歳と個人差が大きかった。 これらの結果から長期的な経過観察の必要性が示唆された。
ISSN:0386-5185
2186-5701
DOI:10.11224/cleftpalate.39.17