乳幼児生体肝移植後の狭窄および血栓閉塞に対するエコー透視下のカテーテルインターベンション

【要旨】乳幼児の生体肝移植後の合併症である血管吻合部の狭窄や血栓閉塞に対し,経皮的カテーテルインターベンション(バルーン拡張術および血栓吸引術)を安全かつ確実に行うことができた。各手技の施行中は治療前後に血管造影および圧力測定を行い,治療効果を確認した。また,各手技は30~40分程度であったが,その施行中は術者,麻酔医,放射線技師,看護師,臨床工学技士が綿密な連絡を取り合い,血行動態,血液ガスなどをチェックしながら,安全に施行できるように努めた。肝移植後の全身状態が不安定な乳幼児の肝静脈の狭窄や血栓症に対する超音波エコー透視下のカテーテルインターベンションは,乳幼児への負担が少ない低侵襲手技で...

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Published in体外循環技術 Vol. 33; no. 1; pp. 94 - 96
Main Authors 前田, 孝雄, 木村, 好文, 黒田, 千夏, 高野, 友美子, 藤栄, 寿雄, 瀬尾, 憲正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 01.03.2006
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.33.94

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Summary:【要旨】乳幼児の生体肝移植後の合併症である血管吻合部の狭窄や血栓閉塞に対し,経皮的カテーテルインターベンション(バルーン拡張術および血栓吸引術)を安全かつ確実に行うことができた。各手技の施行中は治療前後に血管造影および圧力測定を行い,治療効果を確認した。また,各手技は30~40分程度であったが,その施行中は術者,麻酔医,放射線技師,看護師,臨床工学技士が綿密な連絡を取り合い,血行動態,血液ガスなどをチェックしながら,安全に施行できるように努めた。肝移植後の全身状態が不安定な乳幼児の肝静脈の狭窄や血栓症に対する超音波エコー透視下のカテーテルインターベンションは,乳幼児への負担が少ない低侵襲手技であり,造影および静脈圧を測定することで治療効果が即時に確認できる。臨床工学技士が手術室での生体計測を積極的に行い,術者,麻酔医,放射線技師,看護師とともに,その手技の手順と注意点を理解し,綿密な連絡を取り合うことが安全に行うための重要なポイントである。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.33.94