脳血管障害による四肢の血行動態の観察とプロスタグランディンE1の臨床応用
脳卒中後遺症患者3例に対し, prostaglandin E1 (PGE1) の有用性を検討した。PGE1は20μgを朝, 夕2回10日間連日点滴静注し, 投与前後における血行動態の変化を, plethysmography, thermography, RI angiographyにより判定した.PGE1投与前に患側の血行障害が認められた2症例は投与後改善し, 残り1例は投与前, 著明な血行障害を認めず, 患側の冷感, しびれ感を訴えていたが, 投与後, これらの知覚異常は軽減した.自覚症状改善の機序は不明であるが, 脳卒中後遺症患者における四肢血行障害, 自覚症状改善に対するPGE1の有用性...
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Published in | 昭和医学会雑誌 Vol. 48; no. 4; pp. 531 - 535 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
昭和大学学士会
1988
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ISSN | 0037-4342 2185-0976 |
DOI | 10.14930/jsma1939.48.531 |
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Summary: | 脳卒中後遺症患者3例に対し, prostaglandin E1 (PGE1) の有用性を検討した。PGE1は20μgを朝, 夕2回10日間連日点滴静注し, 投与前後における血行動態の変化を, plethysmography, thermography, RI angiographyにより判定した.PGE1投与前に患側の血行障害が認められた2症例は投与後改善し, 残り1例は投与前, 著明な血行障害を認めず, 患側の冷感, しびれ感を訴えていたが, 投与後, これらの知覚異常は軽減した.自覚症状改善の機序は不明であるが, 脳卒中後遺症患者における四肢血行障害, 自覚症状改善に対するPGE1の有用性が示唆され, 今後その適応, 投与量, 投与期間につき詳細な検討が必要と考えられた. |
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ISSN: | 0037-4342 2185-0976 |
DOI: | 10.14930/jsma1939.48.531 |