エビデンスよりみた閉塞性黄疸(中下部胆管閉塞)における術前胆道ドレナージ

下部胆管閉塞に対する術前胆道ドレナージの意義については欧米と我国や癌の発生部位などで意見が異なる.前向き臨床試験,メタ解析,ガイドラインなどを検討した.下部胆管閉塞に対する術前胆道ドレナージは胆管炎などがなければ,ルーチンには術前胆道ドレナージを必要としないとの意見もみられる.膵頭部癌に関しては術前補助療法を行う施設が増えている.そのため,術前胆道ドレナージの必要性の有無よりも,ドレナージ法(ERCPかPTBD),ドレナージの材質(self-expandable metallic stentかplastic stent)の前向き臨床試験が必要となる.一方,中下部胆管癌に対しては術前補助療法の考...

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Published inTando Vol. 31; no. 2; pp. 228 - 236
Main Author 山口, 幸二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2017
Japan Biliary Association
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.31.228

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Summary:下部胆管閉塞に対する術前胆道ドレナージの意義については欧米と我国や癌の発生部位などで意見が異なる.前向き臨床試験,メタ解析,ガイドラインなどを検討した.下部胆管閉塞に対する術前胆道ドレナージは胆管炎などがなければ,ルーチンには術前胆道ドレナージを必要としないとの意見もみられる.膵頭部癌に関しては術前補助療法を行う施設が増えている.そのため,術前胆道ドレナージの必要性の有無よりも,ドレナージ法(ERCPかPTBD),ドレナージの材質(self-expandable metallic stentかplastic stent)の前向き臨床試験が必要となる.一方,中下部胆管癌に対しては術前補助療法の考えは少なく,術前胆道ドレナージ先行か手術先行やドレナージ法やドレナージの材質の問題の解決が必要となる.我が国の術前胆道ドレナージの臨床試験は少なく,今後,目的と対象を絞って前向き臨床試験で検討していく必要がある.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.31.228