酸化ガリウム光触媒上に担持された銀ナノ粒子のin-situ UV-Vis拡散反射およびXAFS測定

酸化ガリウム(Ga2O3)光触媒にAg助触媒を担持すると,水によるCO2還元(CO生成)活性が向上する.しかし,反応中にAgの状態が変化するため光触媒活性が低下することも知られている.本研究では,光触媒的CO2還元を模擬した反応ガス雰囲気でin-situ UV-Vis拡散反射および軟X線領域XAFS測定を行うことにより,Ag助触媒の物理・化学状態変化のその場観察を試みた.その結果,反応前に担持されていた酸化銀は光分解され,Ag+として水中に溶出後,銀ナノ粒子あるいは金属的銀粒子として析出することが分かった.このような銀助触媒の動的過程は反応ガス雰囲気に依存すること,すなわち,水(水蒸気)は銀ナ...

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Published inX線分析の進歩 Vol. 54; pp. 165 - 172
Main Authors 北島, 乃樹, 山本, 宗昭, 吉田, 朋子, 田辺, 哲朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会 31.03.2023
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ISSN0911-7806
2758-3651
DOI10.57415/xshinpo.54.0_165

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Summary:酸化ガリウム(Ga2O3)光触媒にAg助触媒を担持すると,水によるCO2還元(CO生成)活性が向上する.しかし,反応中にAgの状態が変化するため光触媒活性が低下することも知られている.本研究では,光触媒的CO2還元を模擬した反応ガス雰囲気でin-situ UV-Vis拡散反射および軟X線領域XAFS測定を行うことにより,Ag助触媒の物理・化学状態変化のその場観察を試みた.その結果,反応前に担持されていた酸化銀は光分解され,Ag+として水中に溶出後,銀ナノ粒子あるいは金属的銀粒子として析出することが分かった.このような銀助触媒の動的過程は反応ガス雰囲気に依存すること,すなわち,水(水蒸気)は銀ナノ粒子の形成を促進する一方,CO2は酸化ガリウムや酸化銀に吸着し,銀ナノ粒子の形成を抑制することも明らかとなった.
ISSN:0911-7806
2758-3651
DOI:10.57415/xshinpo.54.0_165