障害物またぎを伴う歩行開始時の予測的姿勢調節における小児と成人の違いに関する予備的研究

【目的】小児の歩行開始の予測的姿勢調節において,障害物またぎの有無による影響を成人と比較し傾向を予備的に検討することを目的とした。【方法】定型発達児と健常若年成人に対し,通常の歩行開始と障害物をまたぎ歩行開始する2条件を行い年齢と条件で比較,検討した。【結果】歩行開始にまたぎ動作を伴う場合,小児は成人と同様に左右方向の空間変数に拡大を認めた(p=0.008-0.01)。一方,前後方向の空間変数は成人と異なり有意差を認めず時間変数は成人,小児ともに有意差を認めなかった(p=0.14-0.74)。【結論】通常の歩行開始と障害物またぎ時の歩行開始において,小児の予測的姿勢調節は成人と同様の戦略(左右...

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Published in理学療法 - 臨床・研究・教育 Vol. 32; no. 1; pp. 23 - 27
Main Authors 石崎, 裕佳, 萬井, 太規, 平田, 恵介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 埼玉県理学療法士会 2025
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ISSN1880-893X
1880-8948
DOI10.11350/ptcse.32.23

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Summary:【目的】小児の歩行開始の予測的姿勢調節において,障害物またぎの有無による影響を成人と比較し傾向を予備的に検討することを目的とした。【方法】定型発達児と健常若年成人に対し,通常の歩行開始と障害物をまたぎ歩行開始する2条件を行い年齢と条件で比較,検討した。【結果】歩行開始にまたぎ動作を伴う場合,小児は成人と同様に左右方向の空間変数に拡大を認めた(p=0.008-0.01)。一方,前後方向の空間変数は成人と異なり有意差を認めず時間変数は成人,小児ともに有意差を認めなかった(p=0.14-0.74)。【結論】通常の歩行開始と障害物またぎ時の歩行開始において,小児の予測的姿勢調節は成人と同様の戦略(左右方向の空間変数)と異なる戦略(前後方向の空間変数と時間変数)が混在する傾向を示した。ただし,本研究の被験者数と発達過程を考慮すると結論は限定的で各年齢帯で十分な人数を確保した検証が必要である。
ISSN:1880-893X
1880-8948
DOI:10.11350/ptcse.32.23