高齢者の歩行中の膝回旋角度と1年後の疼痛発生の関連性検討

【目的】膝関節の剪断ストレスは変形性膝関節症の発生の原因とされる。しかし,剪断運動を生み出す膝回旋運動が疼痛を発生させるかわかっていない。そこで本研究では歩行中の膝回旋運動と疼痛発生の関係性を縦断的に調査した。【方法】対象は膝の痛みがない65歳以上の高齢者とした。直線歩行と曲線歩行における立脚期の膝関節角度をポイントクラスター法にて算出し,立脚期における関節角度と可動範囲を算出した。さらに1年間後に疼痛発生を調べ,関節角度の関係性をロジスティック回帰分析により検証した。【結果】追跡が可能であった21名の高齢者のうち,6名で疼痛が発生した。直線および曲線歩行の内旋・外旋角度,回旋可動範囲はすべて...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in理学療法 - 臨床・研究・教育 Vol. 32; no. 1; pp. 52 - 56
Main Authors 堀内, 健太, 小栢, 進也, 島村, 雅彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 埼玉県理学療法士会 2025
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1880-893X
1880-8948
DOI10.11350/ptcse.32.52

Cover

More Information
Summary:【目的】膝関節の剪断ストレスは変形性膝関節症の発生の原因とされる。しかし,剪断運動を生み出す膝回旋運動が疼痛を発生させるかわかっていない。そこで本研究では歩行中の膝回旋運動と疼痛発生の関係性を縦断的に調査した。【方法】対象は膝の痛みがない65歳以上の高齢者とした。直線歩行と曲線歩行における立脚期の膝関節角度をポイントクラスター法にて算出し,立脚期における関節角度と可動範囲を算出した。さらに1年間後に疼痛発生を調べ,関節角度の関係性をロジスティック回帰分析により検証した。【結果】追跡が可能であった21名の高齢者のうち,6名で疼痛が発生した。直線および曲線歩行の内旋・外旋角度,回旋可動範囲はすべて疼痛と有意な関係性を示さなかった。一方,直線歩行の膝外反角度に有意な関係性が認められた(オッズ比0.68)。【結論】膝回旋運動が疼痛発生に関与する可能性を示唆する結果は得られなかった。
ISSN:1880-893X
1880-8948
DOI:10.11350/ptcse.32.52