ヒストグラム平坦化を活用した道路橋床版での遊離石灰の自動検出に関する解析的検討

本研究では,竣工後50年が経過した道路橋RC床版を対象に,ディジタル画像の機械学習によって遊離石灰の検出を試みた.学習モデルの説明変数として輝度値,DoG(Difference of Gaussian)フィルタ後の画素値,ヒストグラム平坦化後の画素値の3つの特徴量を設定し,アルゴリズムには決定木とランダムフォレストを用いた.検討の結果,本提案手法は判別分析法の一つである大津の方法と比較して正解率が10%高かった(正解率:95%).特に遊離石灰の有無におけるデータ数を統一することで,より正確な検出が可能であった.SHAP値によって説明変数の重要度を評価した結果,ヒストグラム平坦化後の画素値の有用...

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Published in農業農村工学会論文集 Vol. 91; no. 1; pp. I_69 - I_76
Main Authors 島本, 由麻, 鈴木, 哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 農業農村工学会 2023
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Summary:本研究では,竣工後50年が経過した道路橋RC床版を対象に,ディジタル画像の機械学習によって遊離石灰の検出を試みた.学習モデルの説明変数として輝度値,DoG(Difference of Gaussian)フィルタ後の画素値,ヒストグラム平坦化後の画素値の3つの特徴量を設定し,アルゴリズムには決定木とランダムフォレストを用いた.検討の結果,本提案手法は判別分析法の一つである大津の方法と比較して正解率が10%高かった(正解率:95%).特に遊離石灰の有無におけるデータ数を統一することで,より正確な検出が可能であった.SHAP値によって説明変数の重要度を評価した結果,ヒストグラム平坦化後の画素値の有用性が明らかになった.以上より,本提案手法は道路橋RC床版における遊離石灰の自動検出に寄与できるものと考えられる.
ISSN:1882-2789
1884-7242
DOI:10.11408/jsidre.91.I_69